たとえ愛なんてなかったとしても

「ないです。
無謀なことはやめて、ヨンウン兄は歌だけお願いしますよ。

むしろ言葉を発しないでくださいね。
兄さんが話すと、うちのグループのイメージが悪くなるんで」


「お前な!何で俺が話すとイメージが悪くなるんだよ!?

お前こそ口を開くなよ?お前みたいな失礼なやつが話すとMiracleのイメージが悪くなるから!」



そこからまた言い合いが激しくなり、さらに話しかけるタイミングが見つけられなくなる。


ばっさりきられてヨンウンさんが気の毒だけど、でも、たぶんほとんど日本語話せないだろうヨンウンさんが話すと、番組の進行には問題が出るだろうな......。



「俊輔くん!どうしたの?
ごめんね、うるさくて」



中国語が飛び交う楽屋に圧倒され、どうしようかと入り口付近にたたずんでいたら、ようやく俺の存在に気づいてくれたみたいで、日本語で話かけられる。

ヨンウンさんと同様、蛇つかみ競争以来のカスミちゃんだ。



「いやいや......。
あー、と、カスミちゃんのとこのリーダーいる?」


「うちのリーダー?
さっき出ていったけど、何か用事だった?」



ヒョンス兄さんいないのか......。
それじゃ、カスミちゃんに伝えておけばいいかな。

そう思い、俺のそばに駆け寄ってきてくれたカスミちゃんに、司会者からの伝言を伝える。