たとえ愛なんてなかったとしても

「失礼しまー......、す」



Miracleの楽屋を見つけ、ノックをしてみるけど、何の反応もないので、失礼ながら勝手にドアを開ける。



「ニホンのミナサン、おひさしぶりねー?
いちゅも応援、ありがとごじゃいます!
ぼっくたちはー」



ドアを開ければ、騒がしい雰囲気の中でも、ヨンウンさんが何やら可愛らしい発音で日本語を練習していた。

堂々と手のひらに文字を書き込みながら。
......本番もそれでいくのか?



「ヨンウン兄は、練習する必要ないんじゃないですか?日本語話せないんだから、無理しないでください。

トークは、他のメンバーがするって打ち合わせで決まったじゃないですか」


「分かってるけど、万が一ってことがあるかもしれないだろ?だから一応練習しとかないと」



上海の蛇つかみ競争で会って以来のヨンウンさんにお久しぶりですと声をかけようとするけど、先ほど司会者に名前を間違えられたペーターと話しだして、タイミングを失ってしまう。


エリックさんと同じアメリカ人のペーターは、俺はほとんど話したことないけど、以前台湾の番組で共演した時に、発音やら何やら、散々ダメ出しされた苦い思い出がある。
 
さらにムカつくことに、本番もほとんどミスをしないし、語学堪能なハイスペックイケメンだったりするイヤミなやつだ。