たとえ愛なんてなかったとしても

「おい、ミヒ。
お茶くらい自分で買ってくるか、黙って冷たいのを飲めよ」



なんとなくエリックさんの口調をマネして自販機に向かって練習してみるけれど、似合わない。

それに、やっぱり。
キャラじゃないよなぁ......。


お茶のことはともかく、何かキツいことを言おうものなら、何十倍にもして言い返されるだろうし、口だけで済めばまだいいけれど、あいつの場合手も出そうだ。


自販機には強気に出ることができても、本人にはできない情けない俺。

というわけで、俺様でいくことを決意して五分もしないうちに即挫折したのであった。


仕方ない......、とりあえず司会者の伝言を伝えにいくか。


なんだかもう収録前にショックを受けすぎて帰りたい気分だけど、そうも言っていられないので、トボトボとMiracleの楽屋を探しながら廊下を歩く。