たとえ愛なんてなかったとしても

「もういい、何もできないなら、お前は言われたことだけやってろ」


「どういう意味ですか?」


「そのままの意味だけど。
俺にも、ミヒにもキャシーにも、はっきり言えないだろ。

だからもう今まで通りでいたらいいんじゃないのか。事務所に言われたことだけやってればいい。

何もできないなら、もう何もするな。
俺にも関わるな」



今までずっと俺の顔色を伺うようにしていた俊輔も、さすがに腹が立ったのかこちらをにらむ。



「何なんですか、その言い方。
確かに俺は優柔不断で、何の力もない頼りない男だけど、自分にできることを精一杯しようとしてます。
みんなともっと良い関係になれるようにって。

どうしてそこまで拒絶するんですか?」 


「俺は仲良くなりたいなんて頼んだ覚えはない。仲良しごっこなら、お前たちだけで勝手にやってろ」



吐き捨てるように言った俺の言葉に、俊輔は一瞬目を丸くした後に、俺に背を向けてドアに手をかけた。



「分かりました、もう勝手にしてください。
関わるなって言うけど、俺だって同じグループじゃなかったら関わりたくないです」



負け惜しみのようにも聞こえるけど、ちゃんと言いたいこと言えるんじゃないか。こんな時にだけは、.......言えるんだな。