たとえ愛なんてなかったとしても

「俺の心配なんてしてなくてもいいから、お前は自分のことを何とかしろ。

俺がキャシーとのことを知らないとでも思ってるのか?だから、俊輔だけはやめとけって言ったろ」


「じゃあどうして、こうなる前に止めてくれなかったんですか」


「お前何言ってるんだよ、俺は止めただろ。
あれ以上俺にどうしろって言うんだ。

それとも、あいつはやめて俺にしとけって言えば満足だったのか?」 



ミヒが、何を言いたいのか分からなくてイライラして、いつも以上に冷たい口調になる。

いや、本当は何を言いたいのか言ってほしいのか分かるが、俺に言わせようとするこいつに腹が立つ。

今さらなんだって言うんだよ。
俺がそう言えば、キャシーとも上手くいくのか?そうじゃないだろ。



「......そうですって言えばいいの?

私の気持ち知ってて、ずっと無視してたのエリックさんじゃないですか!
応えられないなら、応えられないで仕方ないのは分かってる。

だったらどうして、キスしたりしたの!
私が忘れようとしてるのに、関係ないなんて言うのに、心配もさせてくれないのに、どうして!

引き止めてもくれないくせに、忘れさせてもくれないの!」



感情が高ぶったのか泣き出すミヒを抱きしめるでもなく、言い訳をするでもなく、ただ俺はその場に立ち尽くす。


どうして?なんて、俺の方が聞きたいくらいだ。自分自身だって、自分の気持ちが分からないのに。