「まさかー、おっさんとか興味ないもん。
だってさ、ひざの上に乗ったら、おこづかいくれるって言うから」 


「は......?いくら金くれるからって男のひざの上に乗るなんて、男としてのプライドはないのか!面子がつぶれる思いがしないのか!?
  

......で?一応聞くけど、いくらもらえるって?」
  


英俊とおっさんがデキてなくてひと安心したものの、なんでもないことのようにケロっとしてる英俊が色々な意味で心配になる。


いくらと聞くと、英俊が近づいてきて耳元でないしょ話をするように、こそこそと金額を伝えてきた。



「なっ......!?」  



英俊から伝えられた金額を聞いて、ひざの上に乗るくらいでそれだけもらえるなら、俺も乗りたいと言いそうになったが。

直前でそれを飲み込む。


そんなことを言おうものなら、目の前にいるこいつに男のプライド捨てたねー、とニヤニヤしながら言われるに違いない。



「その程度のはした金で、みっともない真似するなよ」



正直、はした金とは言えない額だけど、かっこつけてそんなことを言ってみる。
自分の面目を保つために。