「分かってるなら、ちゃんとして。
私は絶対に.....、

別れないから」



キャシーに勝てない自分が情けなくて。
悔しくて、悔しくて涙があふれる。


俊輔さんにすがりつくと、私の涙を手でぬぐった後に、ぎゅっと抱きしめてくれた。



「分かってる、分かってるよ......。
別れるつもりないよ」



私はキャシーよりずっとずるくて、計算高い女だ。

こうして泣いてすがりつけば、俊輔さんが私を見捨てることができないと知ってて、こうするんだから。


俊輔さんがキャシーをどれだけ好きでも、たとえ私が心の中で他の誰かを思っていたとしても。

それでも彼は、絶対に私を見捨てることができない。





ねえ、キャシー。
私たち、やっぱり相入れないみたいね。

俊輔さんを選んだ私が悪かったかもしれない。

でもね、今さら戻れないの。
今さらゆずれないの。


キャシーには、渡さない。
キャシーにだけは、渡したくない。


愛や友情よりも、自分の心が憎しみに強く染まっていく。

一度信頼して期待が裏切れただけに、気まずい関係だった以前よりもさらに強く、深く。