「そう、分かった。
無理強いするつもりはないわ。

だけどね。今はそう思ってても、俊輔は絶対に私から逃げられない。絶対に、ね」



それだけ言うと、俊輔の膝の上から降りて、彼の首筋にひとつキスを落とした。


俊輔はまた困ったような顔をして、何か言おうとした後に、結局何も言わず、また明日と言って、部屋を出ていった。





私に負けてよ。
私から逃れようなんて思わないで。

そう願うまでもなく、俊輔が私に勝てないって、知ってる。

これはほとんど確信に近かった。
ミヒには絶対に負けない、と。



ミヒが私に勝負を挑むのなら、私だって徹底的にやってあげる。

覚悟しておいてね。
あなたには何も渡さないから。