たとえ愛なんてなかったとしても

「ねえねえ、僕もニーサンの弟ー?」


「もちろん。二人とも兄さんの可愛い弟だよ。

悩みがあったら兄さんに何でも言ってね!
仕事の悩みから、恋の相談まで受けつけてるから」



相談窓口かなにかか?


甘えてくる弟によほど嬉しくなったのか、英俊の頭を撫で、上機嫌にそんなことを言う兄さん。



「兄さんはそうやってMiracleのメンバーの面倒も見てるんですか?
大変じゃないですか?

俺なんてメンバーのアドレスさえ知らないのに」



兄さんのことをそこまで知っているわけではないけれど、面倒見が良過ぎて心配になってくる。


人から頼られるのがすごく好きそうに見えるから。


俺なんて自分のことで精一杯なのに、兄さんは一人でそんなに色々背負い込んで大丈夫なのか。



「ええ!? それはだめだよ。
すぐに聞かないと!

メンバーは大事な家族なんだから、俊輔も......」



あー......、失言だったな。


おせっかいな兄さんの、おせっかいな説教が始まった。


俺たちがようやく兄さんの説教から解放されたのは一時間後。

居酒屋を出る頃には、日付が変わってしまっていた。