たとえ愛なんてなかったとしても

「......どうするかはミヒの自由だけど、俺は会った方がいいと思う。

少なくとも俺は自分の親と会えて良かった」


「どうして?
ひどいことした人なのに?
許した......ってことですか?」



エリックさんの心の中までは分からないけど、とても本当の親に会えて嬉しそうには見えなかった。

それどころか苦しそうに見えたのに。

世間的には許したようにふるまっていても、それはイメージ戦略で、本当は違うように思えたのに。

私がそう思い込んでただけだったの?



「許したわけじゃない。
これからも一生許す気はない。

そうじゃなくて、会う前に死んだら、恨み言も言えないし、モヤモヤした気持ちをどこに向ければいいのか分からないだろ。

あんな親でも、自分のルーツが分かって良かったよ」



たしかに、そうかもしれない。
死んだら直接会って、恨み言を言ってやることもできなくなる。

今のままモヤモヤした気持ちを抱えたまま、真実を一生知ることをできなくなるのも、辛い。


どんな事情があったとしても、きっと私は一生許せないし、許すつもりもないけど。

だけど、本当はどんな人が私を生んだのかは知りたいんだ。

ただ向き合うのが怖い......。