たとえ愛なんてなかったとしても

「やっぱりエリックはいい人だよ。
本当に悪い人間は、自分は優しくない、悪い人間だって言わないよ」


「違う。お前に優しいって思われるのも気持ち悪いから、本当のことを言ってるだけだ。 

俺は......はぁ。本当にお前って......」 


「あっ、笑った!
笑ってた方がいいよ」



否定している途中で、どこまでこいつはポジティブに解釈するんだと思ったら、思わず笑いが込み上げてきてしまった。

呆れて笑えてきただけであって、決して楽しくて笑ってるわけじゃない!
 


「さっきエリックは俺のことできた人間って言ったけど、本当に俺はできた人間じゃないんだよ。 

俺のせいで、みんなを傷つけて、それでグループを解散の危機にまで追い込んだこともあるし」



俺の笑った顔を見て嬉しそうにしてから、今度は穏やかに自分のことを話し始めた。

こいつでもそんなことがあるのか。
とても想像もできないような話だが......。 



「だけどさ、みんなが、メンバーが、そんな俺でもいいって言ってくれたんだ。
完璧じゃなくてもいいから、一人で頑張らないでほしいって。

だからさ、エリックは俺とは悩みも違うかもしれないけど、話してくれるのを待ってる人がいると思う。
辛い時は誰かに助けてって、」