たとえ愛なんてなかったとしても

「そうかなー、似てると思うよ。  
本当は辛いのに、誰にも助けてって言えなくて、一人で頑張りすぎちゃうところ。
一緒だと思ったんだ」



それを聞いて、何か言い返そうとしたが、何も言葉が出てこない。

ただヒョンスが続きを話すのを黙って聞いた。



「エリックのお母さんを呼んだライブ、DVD買って見たんだけど。

エリックが無理してるように見えて、涙が出たんだ。俺には詳しいことは分からないけど。

なんだか、事務所や、世間の期待に応えようとエリックが必死に頑張ってるように見えて......」 



裁判沙汰になって以降、こいつは一度もそれについて触れてくることはなかったから、今初めて家族関連の話をする。


しかし、好意的に解釈し過ぎてる。
俺が頑張ってるように見えたとしたら、もっと違う理由だ。



「わざわざライブのDVD買ってくれたみたいで、どうも。

だけどな、俺はお前の思うような人間じゃない。ただ利用しただけだよ。

いざこざがあっても親を愛すけなげな息子アピールしとけば、俺の好感度もあがるだろ」
 


みんなの期待に応えようと頑張るいいこちゃんじゃなくて、俺は自分の損得しか考えない人間なんだ。

自分のイメージのために親をも利用する、親と同様に最低な人間なんだよ。