たとえ愛なんてなかったとしても

「あなたと話してると楽しい。
また別の機会に会いたいね」



カメラが他のところに行った後、俺と同じように食事の後片付けをしていた上海のタレントと話していると、突然身を寄せられた。



「そうだね、俺も。
上海に仕事で行く機会もあると思うし、もし何かの番組で共演するチャンスがあれば、また一緒に仕事したいな」



水がかかるから危ないよ、と彼女から距離をとって。
プライベートで会いたいという意味だろうが、そこは知らない振り、気づかない振りを押し通す。


営業スマイルを浮かべながら、表の顔で穏やかに。しかし、あくまで仕事以外は会う気がないことを強調する。


裁判沙汰になって以降、好奇心か話題性を狙ってか、寄ってくる女が以前より多くなった。


俺も以前は、後腐れがなさそうな女なら適当に相手をしていたが、相手をするのも面倒になってきたので、最近は回避している。

最近はキャシー以外の女とは二人きりで会うことすらないな。


のちのち面倒なことになりそうな女は最初から近づかないようにしていたし、会わないと言えばそれ以上追ってくる女もいなかった。

連絡先を聞かれても今みたいに気づかない振りをすれば、それ以上しつこくされることもない。


好奇心や自らのステイタスのために俺に近づく女は山ほどいても、本気で俺を好きな女は誰もいないから当たり前か。


冷たい態度をとっても、まだ追ってくる女はあいつくらいだな。

いや、だった、か......。