「何が食べたい?」


「なんでもいいよ」


「どこか行きたいとこある?」


「キャシーの行きたいところでいいよ」



さらに俺の受け答えが良くなかったのか......。



「一体何しにきたの?
全て任されるのも負担なんだけど!
少しは考えてよ」



今日起きた時より、もっとキャシーの機嫌が悪くなってしまった......。


何の目的もなく、寂しい冬の町を歩く。
険悪な雰囲気で。


このままじゃダメだ、なんとかしないと。
昨日の昼から何も食べてないから、いい加減腹も減った。



「とりあえず昼飯でも食べる?
あ、あの店入ってみる?」


「イヤ」



雰囲気を良くしようと適当にその辺にあった店を指すも、即拒否される。



「なんで?」


「......なんでも何も、俊輔は本当にあの店に行きたいの?」



そう言われて、もう一度店の看板をじっくり見る。