「あ、北京ダック食べる?
美味しいもの食べたら元気がでるよ!」


「うぅ、えぐっ......食べる......」



どこまでもマイペースな英俊が北京ダックの入ったタッパと割りばしを差し出してきたので、泣き笑いしながらそれを食べる。



「おいしい......おいしい、ね......」


「炎彬くんがエリックくんとミヒちゃんにもおみやげ買っていかなきゃなって、買ってくれたんだよ」


「そう、お礼、言わなきゃね......」



面子のためだったとしても、私の存在を忘れずにいてくれたことがすごく、すごく嬉しいです。


泣きながら食べた、まだ温かさが残った北京ダックの味を私はきっとずっと忘れない。


ねえ、みんな温かいね。

私が知らなかっただけで、拒絶してただけで。
こんなにも、温かい。


たくさん傷つけて、自分も傷だらけになったけれど。

こんな私でも、今からでもまだやり直せるかな?

プライベートでも、私たち友達になれる?


私にも誰かを信じて、愛することができるのかな......。