たとえ愛なんてなかったとしても

「でも......っ!ライブやテレビでは優しいです」


「あれはテレビ用。
お前もやってるだろ、キャラ作り」


「それでいいから、ください。
嘘でいいから、一日だけでも......」



もちろん本当だったら、それが一番。
本当のあなたが手に入らないなら、嘘でも一瞬でも良いと思ってしまう。

それがとても浅はかな考えであることには気づかない振りをして。


あなたに抱かれる女だけじゃなく、ファンの子に向ける優しさでさえ、私は羨ましいの。

おかしいよね、ファンの子より私の方がずっと近くにいるのに。



「嘘でも?
お前も......同じだな。
作られた偽物がいいんだろ。

誰も本当の俺なんて見てない」



言ってはいけないことを言ってしまったことに気づいた時には、もう遅かった。

彼の雰囲気が、声が一瞬で変わったことが分かった時には、もう。