たとえ愛なんてなかったとしても

「じゃあ......、英俊がいいです」



会場から口々にメンバーの名前が叫ばれる中で、エリックは少し考えてから、英俊を指名した。

その途端に、また悲鳴。


彼女役に男選ぶとか.......。

男を選んだ方が、どちらかの女を選ぶよりも角が立たないし、その方がテレビ的に盛り上がるから正解か。



「ええー!?僕が彼女なの?」



英俊は文句を言いながらも、次の瞬間に勢いよくイスから立ち上がり、ステージの真ん中まで歩いていった。

そして腕を組んで俺たちの方に背を向けて、怒っている演技を始める。




「エリックさん、仲直り!
彼女と仲直りして!」



司会の人にせかされて、エリックも立ち上がり、英俊に近づく。

会場の声はどんどん大きくなっていく。


これ、キッツイよな。
見てる分には面白いけど、やる方は大変だ。

二人に同情しながらも、半笑いになってしまう。