憎しみの感情ばかりが頭を占める。


愛されたことがないから、どう愛を伝えたらいいのか分からないの。

愛しかたは分からないのに、誰かを傷つけることだけはできるなんて、本当に嫌になる。


誰か一人でも、私が生まれたことを喜んで、無条件で味方になってくれるひとがいたら......。

こんな性格にならずにすんだだろうか。



「......ミヒ?」



黙り込んで歩く私に俊輔さんが色々言っていたけど、ひたすら無言で歩いた。


今、口を開けば何を言い出すか分からないから。

関係ない人まで巻き込んでしまいそうだから。




ねえ、どうして。

もう私は小さな子供じゃないのに。
愛に飢え、毎日怯えて暮らしていたあの頃から何一つ変わっていない。

いつもいつも不安でたまらない。
誰といても、何をしてても。


一体いつになれば、この苦しみから解放されるの?

どうして、私を愛してくれなかったの......お母さん。