たとえ愛なんてなかったとしても

「そんな言い方ないんじゃないですか?
頭ごなしに決めつけたら、かわいそうです。

もう少しミヒの気持ちも考えてあげてください」


「は?考えたくもないから、言ってんだろ。
お前が考えてやったらいいんじゃないか」


「なんでそんな風に言うんですか......。
エリックさんが考えないと意味ないのに。
ミヒは......」



俊輔さんが言い返したことで、不穏な空気を感じて慌てて顔を上げた。


いつもそんなこと言ったりしないのに、お酒も入ってるからか一気に険悪に。


私の気持ちを考えろなんて言わなくていいのに、言ったって何も変わりはしないのに。



「だから、何で俺が。
色んな女に、いい人ぶって楽しいか?
キャシーの次は、こいつに手出すの?」



普段のエリックさんが絶対に言わないような言葉を聞いて、絶望すると同時に、ああやっぱりと思った。


エリックさんは誰と誰がどういう関係だろうが口出したりしない。
無関心な人だ、きっと。


それなのにキャシーだけは違うの?
八つ当たりのような、カッコ悪い嫉妬じみたこと口にするほどに。