たとえ愛なんてなかったとしても

「できる......と思う。
ってかキャシー、すごいな。
料理とかするの?」


「時間があるときは、たまにするよ。
そんなことよりも、無駄口叩いてる暇があるなら、さっさと野菜切って」


「......はい」



俺なんて友達と外食する以外は、買い食いやデリバリーばかりなのに、ちゃんと料理してるなんて、えらいな。

てっきり遊び歩いてばかりかと思ったら、そこはしっかりしてるんだ。

なんて感心してる場合ではなかったみたいだ。


今は競技中。

時間内に終わらせるべく、隣の上海在住チームの爆発音やら皿を割る音を聞きながら、キャシーの指示をこなした。


ここまでほぼキャシーの独壇場で、俺、見せ場もいいところも一切なし。


ほとんどがマニアックすぎる競技だったから......なんて言い訳していても、放送後に視聴者の皆さんから役立たずの烙印を押されることは間違いないだろう。

そして、キャシーからも。