たとえ愛なんてなかったとしても

「別に怒ってない、呆れてるだけ......」


「怒ってないならどうして、目を合わせてくれないの?

ヒョンス兄に合わせる顔がなくなるから?
俊輔がそんなに面子を気にしてるなんて、知らなかったから......」



そっぽを向いている俊輔の顔を両手で包み込んで、上からのぞきこみながら話しかける。


私の行動でヒョンス兄が俊輔まで怒ることはないと思うけど、もしそれで俊輔が彼に合わせる顔がなくなるのなら申し訳ない。


自分の好きなように生きて、誰かに指図されるのは大嫌いだけど、意図的に親しい人の気持ちを傷つけて生きるのは好きじゃない。


知らず知らずのうちに傷つけることはたくさんあって、そこまで気にして生きていられないにしても。

それでも、俊輔の、友達の傷ついた顔は見たくなかった。



「炎彬さんじゃないんだから、そこまで面子気にしてるわけじゃない。

俺はそんなことで怒ってるじゃなくて......」


「やっぱり怒ってるんじゃない。
だったら、何で怒ってるの?
言ってくれないと分からないよ」



顔を包み込んだ手を振り払われたので、後ろから背中を抱きしめた。