たとえ愛なんてなかったとしても

「なに? 何か用事?」



用事があるとしても電話で、まさか私が直接部屋に訪ねてくるとは思っていなかったであろうヨンウンさんは、少し困っているみたい。


戸惑う彼に誰かに見つかるからとりあえず部屋にいれて、と強引に部屋に入った。



「用事はないんだけど、退屈だから少し話したいと思って遊びにきたの」


「......俺と?
暇してるなら、カスミのところに行った方がいい。

こんな時間に男の部屋に来ない方がいいと思うけど」


「それもいいんだけど、あなたのことがもっと知りたいの。

ね?......分かるでしょ?」



一歩ずつ、ゆっくりと二人の距離を縮めながら、上目づかいで彼を誘った。



「俺のことが知りたいのか?
変わったやつだな。

......いいけど。
血液型はAB型で、好きな食べ物はキムチと焼き肉。
最近はスシも好きだ。

それから、好きな動物は猫。
どんな猫も好きだけど、一番好きなのはアメリカンショートヘアで......」



変わったやつはアンタだ、ってツッコむべき?

こんな夜更けに訪ねてきた女に対して、文字通り自己紹介始める男がいるとは思わなかった。


わざと誘いをスルーするためにやっているとしたら、相当な強者ね。