放課後って…あぁ、そっか!


アタシはその言葉で気付く。


麻紀にはまだ言ってないんだった。


「あのね、もう、良いの。」


「へ?何が?」


麻紀が若干眉を歪ませながら意味わかんないって顔をする。


「あの電車の彼を探そうとしてるんでしょ?それならもう探さなくていいんだ。」


「…どうして?」

「どうしても♪」

「?」


麻紀は不思議そうにこっちをジッと見つめてくる。
でも突っ込んではこない。

麻紀にはまだ内緒!
だって言ったら大騒ぎだもん。


きっとすぐに葉澤先輩にバレるだろうことは目に見えている。


「ん〜〜そっか。じゃぁさっ!放課後、教員室付き合ってよ♪」

「あはは♪うん、いーよぅ♪」

「えへっ♪」

可愛いやつめ。







歩いてすぐに学校に到着!
近いって楽ち〜ん♪

緩やかな上り坂を登って正門を潜る。

家からは正門のほうが近いのだ!


「おはよう。」


ドキンッ!


「あ、葉澤先輩、おはようございます!」


キャッ!
どうしよう、朝から会えちゃうなんて!
めっちゃラッキー♪♪


「おはようデス。」


アタシは恥ずかしくて先輩に顔を向けられず下を向いた。
緊張するよ〜


麻紀と先輩は何か話しながら笑っている。


いいなぁ、麻紀は・・・


しげくんと仲が良い麻紀は、葉澤先輩とよく話すらしい。


羨ましい…





「なんか桃香ちゃん元気無いね?」


え?

・・・違うよ、先輩。
恥ずかしいだけ。
ただ恥ずかしくて顔が赤いだけです・・・


赤い顔を指摘されたようで更に恥ずかしくなった。


「そんな事ないです!全然元気ですよ。」

アタシは少しだけ顔を上げて平然を装って精一杯言葉を返した。


「そぉ?なら良いけど、体調悪い時は無理しちゃダメだよ?(ニコッ)」


ぶーっ!

そ、そんな朝っぱらから必殺スマイルずるいっす!

刺激が強すぎます!

鼻血出るよ!