「おとうさまとおばあさま...いっちゃったー...」


この広い自分の家に沢山の人達が自分のために集まってくれたと初めは思っていた。


でもちがうと気づいた。


父親が居なくなるとココに話しかけるものが一人も居なくなったからだ。


...多分、ここにいるひとたちは、ロザモンド婦人の椅子を狙っているのだろう。


そのためにココとうまくやっていけることをアピールしていたのだろう。


ココは幼いが賢かった。


そんなことはすぐに理解できた。


だから自分の部屋に戻ることにした。


「ココっ...!」


「あれ、おとうさま?
もうおはなしはおわったのですか?」


「あぁ。...ちょっと来てごらん。」


「?」


父はまたココを沢山の人が居る大広間まで連れ戻した。


「さぁココ、黒いドレスの人が来たら鏡を見てごらん。」


「...?わかったわ」


ココは鏡を覗き込んだ。


「...っは...!」