ドロップキック【ワタシとアイツ】

5分後、薄暗い暗闇の中から小さい声が聞こえてきた


「…友田!」



その声がどんどん大きくなり、どんどんワタシに近づいてくるのが分かる。



「お待たせ!ゴメン遅くなって。」



アイツは、息を弾ませながら何度も何度も、ワタシにペコペコ頭を下げる


その姿に、ワタシはクスクス笑ってしまった


そして、ホントに来るんだろうか、という不安が気づけば、ワタシの頭から、どこかに吹っ飛んでいた。


「良いよ。そんなに謝らないで。」


満面の笑みを浮かべると、アイツは少しホッとしたみたいで、ワタシの隣に座った。