ドロップキック【ワタシとアイツ】

「ワタシが試しにやってみせるから。」

そう言うと、斎藤先輩は、その場に高く飛び上がり、ワタシの胸に向けて両足を当てようと出してきた。


しかし、ワタシはつい、サッと避けてしまった。


その結果・・・



ドサっ!と、鈍い音をたて、斎藤先輩はリングの上に背中から落ち、もがき苦しんでいる


「ゲホ、イタタ、ユメ~!!なんで避けるのよ!」


苦しみながらもワタシを睨むように見ている目が、ハンパなく怖い。



「だって、痛そうじゃないですか~」



「身を持って、技を受けないとダメなのよ!」


背中をさすりながら、斎藤先輩は立ち上がった。