アンバートリップ


どうにか箱を閉じようと、呪文のように何度も唱える。


(これ以上は、いけない)

(これ以上は、いけない)

(これ以上は、いけない)



 山の冷気が、それを阻もうとする。

 大きな夕日が、箱をこじ開けようとする。




 この煉瓦道を歩き続ける限り、私は心の箱を閉ざせないのかもしれない。