そのテキトウな感じが何だか妙に面白くて、私たちは庭の倉庫からポリバケツと錆びだらけの銀色のタライを引っ張り出し、夏休みに散々通った丘の上の神社公園へ向かった。




「……せせらぎも無いね」


 私たちの知っている川はその公園の片隅に流れているはずだったけれど、そこに水らしきものは一滴も見当たらなかった。


 干からびた川の近くに、見慣れない看板が立っている。

「……」

「……」



 その川が、公園の管理する人工川で、冬場は凍結防止のために主流弁を閉じているなんて、知らなかったのだ。