確かにさっきまで十六夜さんといたけども!俺から会ったワケじゃないし!



「うぬぅ……何もされてないかぇ?」


「大丈夫だって……。それに十六夜さんは俺をからかってるだけだし」



苦笑いで爺ちゃんにそう返すと、爺ちゃんは途端驚いた顔をして俺を凝視した。



「十六夜(いざよい)?!さ、佐雄、お前っ………十六夜に絡まれておったのかぇ?!」


「え?う、うん……「かーっ!あンの若僧めぇ……佐雄をターゲットにしたのか!小賢しいやつよのぅ……っ」


「あの……爺ちゃん?」


「はっ!佐雄!あの若僧に何か変なこと聞かれたかぇ?!」


「にょわわああっ?!」



興奮した爺ちゃんは自分の魔力をうまく抑え込めず、俺に巻きついていた蔓が更にぎゅうぎゅうと俺を締め上げる。


……あー、俺。マジで死ぬかも。


口から魂が出そうになる俺だが、爺ちゃんもそんな俺の様子に気づいたようで「あ、すまん…」と言ってやっと俺を解放してくれた。


ぐ…苦しかった……ッ


っていうかなんで爺ちゃんは十六夜さんの名前が出た途端、過剰反応したんだろう……?