鬼と天使と少年と、

授業が終わるとみんなで机の上に座り駄弁り始めた。

内容は他愛もなかったハズなんだけど……次第に俺の話へと変わっていった。



「でもスゲェよなー!お前、黒魔術どころか呪言まで使えるなんてさ!」


笑いながら言う珀(はく)先輩、


「呪言の存在は知っていたが……本物は初めて見たな」


しみじみ呟く羅架(らか)先輩、


「ねぇねっ、今度一緒に魔法の練習しようよっ!」


楽しそうに俺を見つめる呂坐(ろざ)先輩、


「あら、私も一緒していいかしら?」


腕を組んで微笑む茄希(なき)先輩、



みんながみんな口々に言うけども、俺は【呪言】という言葉に敏感になってしまい、緊張して口を開けなかった。


ちょ、先輩方わざと言ってます?!


汗ダラッダラな俺を見つめる先輩方に悪気はないみたいだけど、俺は罪悪感に縛られるばかり。


いつの間にか俺は、謝罪の言葉を口にしていた。


やっと発した言葉が謝罪なんて。

でも、俺には謝罪しか思いつかなかったんだ。