鬼と天使と少年と、

そうして出雲はどこかへ走っていってしまった。


で、


必然的に俺と十六夜さんは二人っきりになるわけでして……。



「なあ」


「はぃいっ!」


「………。」



いきなり呼ばれて心臓バックンバクン。

と、飛び出すかと思った……!


そんな俺に十六夜さんは黒髪を揺らしてコッチを見てくる。

紫眼の目が綺麗だなー、なんて思う俺、なんて能天気。


だけど十六夜さんの口から出た言葉に、俺の周りの空気が一瞬にして凍り付いた。



「アンタ、友達(ダチ)に嫌われたのか?」


「え……」



なんで、それを。


忘れかけていた感情が、また俺の心に這い寄り襲いかかる。



『佐雄…それって……』

『一体なんなんだよ……』


『佐雄、お前……』






『やり過ぎだろ』



「ーッ!……っ」




コ ワ イ よ