鬼と天使と少年と、

そうして俺はこの隙に逃げようと思い足を二人とは反対方向に向けようとしたんだけど。



「すっげ……」



なにやら後ろから痛いくらい視線を感じるよ、うん。


ぎこちなーく振り返ると、出雲と十六夜さんが俺を見て目を見開いていた。

え、ちょ、何?
何かやらかしちった?


そう思い冷や汗を流しながら一歩ずつ二人から遠ざかろうと足を進めた。

けど、


ーガシッ



「?! えっ……ちょ、なんで手ぇ掴んで……」


「お前すげーな!今のって黒魔術だろ?同じ歳とは思えねーよ」


「同い歳?ってことは出雲も飛び級生なんです…なんだったのか!」



ってことは敬語はいらないってことか!

そうかそうかと、俺は一人ニコニコと出雲を見つめていたんだけど……。



「「は?」」


「え」



出雲だけじゃなく、十六夜さんにまで驚声をもらいました。

え、なんで?