「嫌われた、かな……」



駄目人間こと俺、佐雄(さお)は【彗星組】を飛び出してから闇雲に走ってきたため、学校内で迷子中。


学校内で迷子になるなんてな……。
ははっ、とんだお笑い種だな。

いやでも俺、飛び級生だぜ?
校舎内を把握してなくても無理はナーイ。


なんて明るいテンションで軽く笑ってみるも、内心大荒れ。

実際さっきから何度も溜め息をついている。



嫌われた?アイツらに?

俺が、やり過ぎたから?

でも、それはアイツらのために…っ


……なんて、言い訳は不必要?


非道なやり方でやり返そうとした。

実際、先輩を殺す気でいた。

憎悪を宿してしまった。


それが、嘘偽りのない俺のしたこと。



ぐちゃぐちゃのドロドロした感情が俺を覆い尽くそうとして。

そんな時、倭草と雨乱の優しい笑顔が俺の脳裏によぎって。

だけどそんな二人とは対照的に俺は汚く醜くて。


俺のしたことは、

ただ人を苦しめてただけなんだ。