佐雄が異次元で翻弄する最中、一方の旧校舎に残った倭草チームは姫と合流したことにより、和やか(?)な雰囲気となっていた。


「それにしても、まさかこんなところで十六夜サマに再開できるなんて!嬉しいですわあっ、感激ですわあっ!
これはもう、運命といってよろしくて?」

「……。」
「……。」

「なあ、鬼子」
「は、はい?」

「…姫のこと、任せた」

「はあ、……っていやいやいや!ちょっとあんた何逃げようとしてんスか?!姫さんはあんたに会いにきたんじゃねーのかよ!それを俺に押しつけるって…」


ジョーダンじゃない!

最後の一言はなんとか押し殺したものの、倭草が必死になっていることは明らかだろう。

現に、方向回転しようとした十六夜の服の裾を離すまいとガッチリ掴んでいる。

さあ、あんたも犠牲になってくれと倭草が十六夜の腕を引いた、その時である。


「… あ ら あ ? 」


大地が唸るような、低い声が男二人を震わせた。


「お二方、いつの間にそんな仲良くなっていますの?わたくしも、お仲間にいれてくださらない?…ねえ?」


「は、はいっ!ていうか姫さん怖ッ」

「鬼子、あんたのせいだからな」

「いやちげーだろッ、テメェこそ姫さんと付き合ってんじゃねーんでスか?」

「まさか「あらいやですわあっ、そんなっ、わたくしと十六夜サマとが、…ねえ?」……。」

「ヘー、ツキアッテルンスカー。確カニ姫サン、ラビラブっスモンネー」

「おい鬼子、棒読み」

「ラブラブだなんてそんな!やんっ、照れますわっ!」

「……。」


じろりと睨まれる倭草。

いっそ付き合っちゃえよ。と言わんばかりにベエッと舌を出す倭草に、十六夜は舌打ちしただとかナントカ…。


「はぅうっ!結婚指輪はいかがいたしましょうっ、それよりバージンの方が先かしらっ、いやでもっ…」


なんにせよ、姫には敵わない。