同時刻、とある閉ざされた空間にて。


手足を拘束され、目隠しをされた人物が椅子に座ってうなだれていた。

感じるのは冷気と恐怖。

何も見えない何も出来ない。


ただある真っ暗な空間に閉じ込められた人物は、ふと何かを察したようにピクリと動いた。


「さ、お…?」


か細い声も、闇に消える。




さあ、楽しい愉しいゲームだよ。


迷える天使は一体どこだ?

あっち、こっち、そっち、どっち?


早くしないと死んじゃうよ。

闇に呑まれて死んじゃうよ。


楽しい愉しいゲームの始まり。



「誰か、誰かっ…。さおっ、わぐさっ………!はやくわたしをっ、」



ハ ヤ ク ワ タ シ ヲ ミ ツ ケ テ ヨ


闇に呑まれる、その前に。