それぞれの反応を観察していた十六夜さんだったけど、ふと視線を逸らしてポツリと呟いた。



「佐雄を諦めるつもりはない。ただ鬼子に少し興味を持っただけだ。それに……、聞きたいこともあるしな」


「ふむ、くだらん食事のことを考えておるのなら無駄だぇ? 倭草には神もビックリの加護がついておるしのぅ」


「えっ!倭草ってそんな凄い人に守られてんの?何それカッコいい!」


「(いやそれ多分お前のことだよ…)」



凄いスゴいとはしゃぐ俺に呆れる倭草。その横では相変わらず因縁のライバルが火花を散らしている。


え、えーっ、それより倭草の御守りって誰ーっ!むっちゃ気になるぜひゃっほーいっ!



「なんにせよ、俺は鬼子と行く。安心しろ、強欲。今日はそんなに空腹じゃない、取って喰ったりはしねえよ」


「えッ。く、喰うって………」



ひくり、口元を引きつらせ青褪めた顔で十六夜さんを見上げる倭草。

そんな倭草にニヤリと口角を上げ腕を引っ張り「行くぞ」と声をかけた十六夜さんに、倭草は内心悲鳴を上げていたという……。


一方、そんな二人に全く気づかない俺。



「倭草のボディガード会ってみてー!わーわーっ、やっぱグラサンなんかな黒服なんかなっ。

ねえ倭草っ、今度会わし……あれ?」


「あの二人ならもう行ったぇ」



爺ちゃんには呆れられていたという、俺乙。


だってBG(ボディガード)カッコいいじゃん気になるじゃんっ!


目をキラキラさせてBGを熱く語る俺に、「はいはい」と言って十六夜さんよろしく爺ちゃんも俺を引きずって地下室探しを開始。


おおう、そうか今は地下室探し、改め雨乱探ししなきゃだもんな。


頬を軽くペチペチと叩いて、俺は爺ちゃんと共に捜索を始めたのだった。