はいどーも、ぐうたらっ子な駄目人間こと【佐雄】(さお)でっす。

さっきまでの記憶が曖昧で頭ンなかもボーッとしてるけど、今は俺より雨乱の方が先だよな。


『夜の学校』という空間から無事脱出できた俺たちはオレンジに染まった放課後の旧校舎をうろちょろ。


ほら、元よりここ旧校舎に来たのってアレじゃん。倭草が『旧校舎の地下室に雨乱いるかも』なんて言ったからじゃん。


ってことで、その地下室とやらに向かってる途中なんだけれど……。



「なんで地下室の場所も知らないくせに旧校舎に連れてきたんだよ、ムダに怖い思いしただけじゃんか」


「まあ、そう拗ねんなって。俺だって協力者(サポーター)がいると思ってたんだしよう。

あ、そうだ。炎葉先生は地下室の場所知らないんスか?」


「んー、教師とはいえ、新任だからのぅ。旧校舎までは把握しておらんのよ。十六夜、お前こそ知らんのかぇ?」


「さあ?」



誰一人と地下室の居場所を存じ上げない……だと?

うわーお、お先真っ暗。これじゃあ日が暮れて本物のバケバケヤ~が出ちゃうかもしれないではないか!


おおうっ、それだけはマジ勘弁!



「地下室ちかしつ……。うーん、そもそもホントに地下室に雨乱いるの?」


「さあ?俺は佐雄を連れて来いって言われただけだしな。にしても…、こうも見つかんねえなら、こりゃ二手に別れた方がよさそうだな」



あ、それナイスアイデア。倭草の案に賛成と手をあげると、隣からトゲトゲしいオーラがざくざく刺さってきた。

うん、まあ、勿論あの二人から。



「ぜっっったい十六夜とは嫌だぇ。一緒に探すなら孫と一緒の方がええわぃ」


「こっちだって御免だな。俺はそこの鬼子と一緒に探す」


「えっ?!」



これには本人の倭草だけでなく、爺ちゃんも、そして俺も驚いた。

「なんで俺?」困惑し焦る倭草、
「てっきりお前は孫に執着しとるかと……」目を丸くする爺ちゃん、
「え、二人って仲良いんだ?」知らなかったと呟く俺。


「って、いやいやいや!別に仲良いわけでもねえしっ。ましてやついさっき会った仲だろーが!」


久々に倭草のツッコミを頂きました。

ごち。