不幸中の幸い、ってのはこの事だろうなって。今切に思う。



俺らが落ちたのは木の上……から更に落ちて木の根っこがボコボコ出てる地面の上だ。

……土に埋まってないのは何故なんだろうか。なんて気にしたら負けだ、うん。


そして更に幸いだったのが、落ちた場所が魔法学校の近くだってこと。



「あー、これで遅刻は免(まぬが)れたな二人共」


大きく伸びをしながら二人を振り返る。

……うん、身悶え中でしたか。



「ちょま…っ、痛い、痛いからっ。なんで佐雄はンなピンピンしてんだよ…っ」


「うー、痛いです…。あ、そういや私、治癒系魔法使えるんでした」


「それを早く言えって…」



そう言うやいなや、雨乱はさっそく治癒魔法を発動させて自分と倭草の怪我を治した。


「おー…すっげ」と言って感動している倭草に雨乱は照れ笑い。


……お前らマジでカップルに見えるぞ。(雨乱は女顔だから)


まあ言ったところで俺が重傷負うだけだから言いませんが。(雨乱に殺される!)