鬼と天使と少年と、




(爺ちゃん以外)みんなでゾロゾロと教室に向かう中、俺は顔を上げられずにいた。


なんでかって?


そりゃあ周りの視線が痛いからに決まっておろうがああああッ!


何?!俺なんかした?!
なんでこんな目に会わなきゃなのさ…。


そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、左右前にいる阿呆&お騒がせ共は劇闘祭について話していた。


もちろん姫はあのドヤァな顔で、だ。



「へぇ、姫さんが劇指導やってくれるんスか。楽しみっスね」


「ふふふ、でもわたくしが指導するのは基本的なことだけですわよ。あとは衣装もこちらで用意してありますわ」


「わあ!ありがとうございますっ。よかったぁ……これで来月の劇闘祭にも間に合いますね」


「姫ほど優しい人はいないって!そうですよね?姫先輩っ」


「あら、剣牙。わたくしは十六夜サマに会うためにしてる……ごほん、当然のことをしたまでですわ!」



「……。」姫の下心が見えすいてならないんだが……。


っていうか、この状況で十六夜さんに会ったらまずいって絶対!


爺ちゃんにも注意されてるけど…………はぁ、あの人から会いにくるもんなぁ。俺に。


俺は断じて玩具にならないってのに!