「「姫?」」


「………。」



倭草と雨乱がポカン顔で綺麗にハモる中、俺は一人だけ汗ダラッダラで視線を遠くへ向けていた。

だって関わりたくないんだもん!


だけど今日の運勢は最悪らしく……



「あら、佐雄。遅いわよ。30分も待ちましたわ」


「おっす佐雄!今日も平凡顔だな」



待ってなくていいんですけどねぇ?!

つーか剣牙ッ、お前失礼すぎない?!


どーせ俺は平凡顔ですよぉーっだ!


内心あっかんべーをする俺は、軽ーく挨拶をしつつ、後ろからの二つの視線にドッと汗をにじませる。



「佐雄おぉ……お前こんな可愛ーい彼女持ちだったのか?あ?」


「しかも相手は姫ですかぁ……佐雄もなかなかやりますねぇ」


「ちょっ、二人共誤解だって!」


「そうですわ!誰がこんな平凡男と!」


「そうだぞ!姫には十六夜さんっていう、超超超男前な相手がいるんだからな!」



お前ら二人は黙っとれえええええッ


てゆーか剣牙ッ、お前遠回しに俺が平凡だって言うなっての!


さっきからっ……お前もう口開くな!