「……あなたが、佐雄ですの?」


「え、あ、は……い?」



思わずキョドって語尾が疑問系になってしまったけど、お姫様はそんなに気にしてないようだ。


にこにこ~っていうか、ふんわりと微笑むお姫様は、見た目というか……オーラがマジ姫。


そんなお姫様が一体俺に何の用があるんだろうか?


首をかしげてお姫様を見つめていると、ふいにお姫様が口を開いた。



「やはりそうでしたか……ふむふむ。わたくしの目に狂いはないようですわね」


「は……? ていうか、あなた一体誰なんですか?」


「わたくしですか?わたくしは【姫】です」(ドーン)


「………。」

「………。」

「………。」

「………。」


「……いやあの、そうじゃなくて名前を、」


「ですから、【姫】ですっ!」


「いやだから……」


「わたくしが【姫】と言ったら【姫】なのですぅーっ」


「………。(え…ええええぇぇぇ……)」



なんちゅーお姫様だ……。


口を尖らせ両手を挙げながらぶーぶー言っているお姫様。


その行為は可愛いっちゃ可愛いんだけど……



「(【姫】って、こんなんだっけ……)」



俺の中にある【お姫様】という像がガラガラと音をたてて崩れていきました、はい。