お昼休みの廊下で祥を見つけた。

祥の隣にいたのは夢香ちゃんだった。

夢香ちゃんは嬉しそうに顔を綻ばせていた。

「ねぇ、祥。大好き」

「知ってる。俺も好きだから」

聞こえてきた声はそんな会話だった。

答えたのは、間違いなく祥の声。

やっぱり、夢香ちゃんのことが好きなんだ。

「あれ?麻結。風邪はもう大丈夫なのか?」

「うん……」

祥はあたしの心配をしてくれる。

とても優しい人。

それに対して夢香ちゃんは、あからさまにあたしのことを睨んでいた。