ざわざわと騒がしい昼休み。

あたしはとぼとぼと廊下を歩く。

「思いきりかぁ……。思いきり……ッ」

突然、頭に鋭い痛みを感じて頭を押さえた。

ズキズキと頭が痛む。

ちょっと、いろいろ考えすぎたかも。

早く教室に戻ろう。

あたしはさっきよりもスピードをあげて歩く。

廊下の突き当たりにさしかかったときだった。


「麻結?どうした?」

祥があたしの顔を覗き込む。

祥のこと考えすぎて頭痛がする、なんて言えるわけがない。

あたしは祥を振り切った。