波斗君の気持ちは嬉しい。

嬉しいけど、あたしは祥のことが好き。

今なら、それがすんなりと受け入れることができる。


「ごめんなさい。あたし波斗君と付き合うことは出来ない。……好きな人がいるから……」

ごめん、波斗君。

心の中であたしは波斗君に謝った。


「そっか。じゃあ、仲の良い友達ってことで。聞いてくれてありがとう」

波斗君は切なそうに笑いながら走っていった。


急に静かになったような気がした。

「なぁ、麻結って好きな人いたんだ」

「うん、いるよ」

「そいつ、俺よりかっこいい？」

「さぁ？」

祥は今度は怒っているらしい。

なんでだろ？