「波斗君……」

「ねぇ、もしかして麻結ちゃん、祥と付き合ってたり、する?」

波斗君は不安げに言った。

少しだけ波斗君の表情が曇った。

「付き合ってないけど」

「え、だって抱きしめ合って……」

波斗君の目線は祥の腕に注がれている。

「ち、違うのっ。これは祥が勝手に……」

あたしが慌てて訂正しようとすると、祥が遮った。

「俺達、付き合ってるけど?」

「は?何言って……」

祥の腕に少し力が入る。

祥は不機嫌を隠そうとせずに続ける。