「ま~ゆっ」

名前を呼ばれて振り向くと、誰かに抱きつかれる。

見なくても誰なのか分かる。

「祥、抱きつくな!」

「麻結、好き……」

祥はあたしの言葉を無視して、あたしの耳元でつぶやく。

いつもと違う感じの『好き』。

焦っているような、そんな感じがする。

「祥、どうした……」

「あれ、麻結ギューは?」

「しません!!」

いつもの調子に戻った祥。

心配して損した!

あたしもいつもの調子で返す。

こんな感じのやり取りも最近日課になりつつある。