「で、どうだったの?」
梨々花はあたしに詰め寄る。
「どうって?」
「波斗君のことよ」
梨々花は興味津々の様子。
「えっとね、いきなり告られた」
「よかったじゃん!返事、どうするの?」
梨々花は少し興奮気味に言う。
「波斗君のこと、もっと知ってから返事しようと思って。待ってるって言ってくれたから」
あたしは少し遠くを見た。
「話してみて、優しい人だなって思った。でも、なんか違うって思ったんだ」
あたしがそう言うと、梨々花は少し声のトーンを落として言った。
「やっぱり、まだ祥のことが好きなんじゃない?」
「違うよ。そんなんじゃない」
ただ、この人じゃないって思っただけだから。



