さっきから視線感じると思ってたんだけど。

「行かない」

「ほら、行ってあげなさい。飼い主に捨てられた犬みたいな顔してるよ?」

言われてみれば、そう見える。

「かわいそうに。飼い主を待ってるんだね」

あたしは泣き真似までしてみせる。

「いや、あんたを待ってんのよ」

チッ。

梨々花には効かなかったか。

「……しょうがないなぁ」


あたしはしぶしぶ立ち上がると祥のところに向かう。

祥は目を輝かせてあたしのことを待っていた。

なんか、この前と全然キャラが違うような……。