「はぁ、すっかり遅くなっちゃったよ」
先生のお手伝いが終わって学校を出たら、六時を過ぎたあたりだった。
空は暗くなり始め、街灯もつき始める。
「さて、帰ろっか」
なぜか今は、この薄暗さが心地いい。
一人で帰るのも悪くないかも。
そう思っていると後ろから足音が聞こえた。
特に気にせず振り向くと、後ろの人と目が合った。
あたしは反射的に前を向く。
なんでよりによって、ここで祥と会うの?
最悪……。
思わず泣き言を漏らしそうになる。
気まずさもあるけど、とにかく会いたくなかった。
どうか話し掛けてこないで。
そう願いながら早足で歩く。