「どこに行くんだ?」

「うーんとね、祥はどこがいい?」

二人の話し声が鮮明に聞こえる。

祥の声は少し嬉しそうに聞こえた。


あぁ、そういうことだったんだ。

あたし、分かっちゃったよ。

祥の好きな人は……夢香ちゃんだ。

やっぱり祥は夢香ちゃんのことが好きであたしのことは遊びで、あたしのことなんかどうでもよくって……。

「ちょ、麻結!?大丈夫?顔、真っ青だよ!?」

梨々花はあたしの顔を覗き込む。

「大、丈夫……」

あたしはフラフラとした足どりで、梨々花と一緒に教室へと戻った。